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kintoneのライトプランとスタンダードプランの違いを解説

kintoneは、企業の規模や業務内容に応じてデータ管理と情報共有を効率化するためのプランを提供しています。特に、「ライトプラン」と「スタンダードプラン」では提供される機能や拡張性に大きな違いがあり、それぞれのプランの選択によって業務効率に大きく影響します。この記事では、ライトプランとスタンダードプランの機能の違い、選び方、ビジネスニーズに応じた活用法について詳しく解説します。また、2024年11月からの価格改定による各プランの新価格についても触れ、今後の導入の参考にしていただければと思います。

それぞれのプランの特徴と選び方

ライトプランとスタンダードプランは、機能面で明確な違いがあり、業務内容に応じて選択が必要です。

1. ライトプランの特徴

ライトプランは、シンプルなデータ管理やプロジェクト管理を行いたい企業に向いています。次のような機能が提供されており、手軽に情報を整理することができます。

基本的なデータ入力と検索
各レコードのデータ登録や検索が可能で、プロジェクトや顧客情報をシンプルに管理するのに適しています。情報をフィルタリングして必要なデータのみを抽出し、効率的に操作できます。

基本的な通知機能
コメントへの通知やアクティビティ更新の通知が提供されており、簡単な情報共有が可能です。情報共有や簡易的なチーム内の進捗確認ができるため、小規模プロジェクトに適しています。

ライトプランは、コストを抑えて業務を効率化したい企業、またはシンプルな情報管理で十分な場合に最適な選択肢です。

2. スタンダードプランの特徴

スタンダードプランは、ライトプランの基本機能に加え、より多くのカスタマイズと外部連携の機能を備えています。特に、業務プロセスの自動化やカスタムビュー、API連携による外部システムとの連携が可能で、企業の特定業務に合わせたカスタマイズが求められる場合に適しています。以下に、スタンダードプランならではの特徴的な機能について解説します。

プロセス管理の自動化
プロセス管理機能を使うことで、特定の手続きを自動化し、タスクの進行状況や承認プロセスを設定できます。例えば、経費精算プロセスでは、承認が完了すると次の担当者に通知が自動送信され、プロセスの流れを管理者が簡単に監督できます。これにより、手作業によるプロセス管理の負担が軽減され、ミスのリスクも低減します。

カスタムビューとデータ表示の柔軟性
カスタムビューを利用することで、表示するデータの内容やフィールドの順序、フィルタリング条件を柔軟に設定できます。例えば、営業チームには売上データを中心に表示させ、管理チームには経費データを重点的に表示させるといった、役職や役割に応じた表示カスタマイズが可能です。これにより、各チームが必要な情報のみを効率的に閲覧できるため、作業効率が向上します。

API連携による外部システムとの統合
スタンダードプランでは、APIを利用して他のシステムとデータ連携が可能です。例えば、会計システムや顧客管理システムとの統合を行うことで、kintone内に保存されている情報を活用し、シームレスなデータ共有が可能になります。たとえば、営業活動のデータが自動的に会計システムに転送されるよう設定することで、作業時間を短縮し、手動入力によるミスも防げます。

高度なカスタマイズ機能
スタンダードプランでは、JavaScriptやCSSを使った画面や機能のカスタマイズが可能です。これにより、業務フローや入力画面を業務内容に合わせて調整し、効率的な操作性を実現します。例えば、顧客情報の入力画面に追加のガイドや説明を表示したり、データ表示画面において特定の情報をハイライトさせるといったカスタマイズも可能です。こうしたカスタマイズにより、業務のスピードと正確性が格段に向上します。

セキュリティとアクセス管理の強化
スタンダードプランは、二要素認証やIP制限、監査ログなどのセキュリティオプションを提供しており、機密データを安全に管理するための高度な保護が可能です。例えば、特定のIPアドレスからのみアクセス可能にすることで、不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。

2024年11月からの価格改定について

2024年11月からの価格改定により、各プランの料金が次のように変更されます。

ライトプラン
– 月額:780円/ユーザー → 1,000円/ユーザー
– 年額:9,170円/ユーザー → 12,000円/ユーザー

スタンダードプラン
– 月額:1,500円/ユーザー → 1,800円/ユーザー
– 年額:17,640円/ユーザー → 21,600円/ユーザー

また、最小契約ユーザー数がこれまでの5ユーザーから10ユーザーに引き上げられ、より多くのユーザーでの利用が前提となります。この価格改定には、システムの品質向上やセキュリティ強化を図るための投資が背景にあり、今後も高い信頼性とサポートが期待されます。

ビジネスニーズに合わせたプラン活用法

ライトプランとスタンダードプランの特徴を踏まえ、企業のビジネスニーズに応じた活用方法についてさらに詳しく解説します。

1. シンプルなデータ管理や情報共有が主目的の企業にはライトプラン

ライトプランは、基本的なデータ管理や簡単な情報共有が目的の企業に最適です。小規模プロジェクトや部門ごとの情報共有ツールとして適しており、経費を抑えて基本的な機能を利用できます。フィルタ機能で必要な情報をすぐに抽出できるため、迅速なデータ管理を実現できます。

2. 業務プロセスの自動化が必要な企業にはスタンダードプラン

承認フローやプロセス管理が必要な業務を抱える企業には、スタンダードプランが適しています。経費精算や契約管理など、特定のプロセスが複数の承認者を必要とする場面で、承認完了と同時に通知を自動送信する設定が可能です。これにより、業務プロセスが効率化され、進捗状況も一目で把握できるため、タスク管理が格段に容易になります。

3. カスタムビューを活用したチームごとのデータ表示最適化

スタンダードプランでは、ユーザーやチームごとに異なるビューを作成し、特定のデータやフィールドのみを表示させることが可能です。例えば、営業チームには「案件ステータス」を表示し、管理チームには「予算状況」を優先的に表示するなど、業務に必要なデータを絞り込むことができます。これにより、各チームの業務効率を高め、データの見通しが良くなります。

4. API連携による外部システムとの自動データ同期

外部システムとkintoneを連携する場合に、スタンダードプランが非常に役立ちます。API連携機能を活用することで、kintone内のデータを他の業務システムとシームレスに同期させることが可能です。例えば、営業活動で取得した顧客データをkintoneから直接顧客管理システム(CRM)に連携したり、会計システムとリアルタイムでデータをやり取りしたりすることができます。これにより、手作業によるデータ転記や確認作業の負担が軽減され、業務全体の効率が大幅に向上します。また、API連携により、kintoneのデータをダッシュボードやBIツールに表示し、分析結果をリアルタイムで確認することも可能です。

5. 高度なカスタマイズで業務フローを最適化

スタンダードプランでは、JavaScriptやCSSを使って柔軟にカスタマイズが可能です。例えば、特定の条件に基づいてデータが入力されるたびに自動的に色分けする、入力項目を動的に変化させる、あるいはユーザーの操作をガイドするポップアップメッセージを表示するなど、業務に特化した画面構成が作成できます。これにより、ユーザーの操作ミスを防ぎ、入力作業の精度やスピードを向上させることができます。たとえば、請求書の作成時に「顧客名」「請求日」「請求額」などのフィールドに自動入力機能を組み込むことで、業務の効率化が図れます。

6. セキュリティ強化が求められる業務に対応

スタンダードプランは、データのセキュリティを強化したい企業にとって理想的です。二要素認証やIPアドレス制限、監査ログなどのオプション機能により、機密データを厳格に管理することができます。特に、従業員の個人情報や機密データを取り扱う部署にとって、アクセス制限やログ管理を導入することで、万が一の不正アクセスリスクを防止できます。監査ログ機能を活用すれば、誰がいつどのデータにアクセスしたかを記録し、データの利用状況を細かく把握できます。

まとめ

kintoneのライトプランとスタンダードプランは、それぞれ異なる機能セットを持ち、企業のニーズに合わせたデータ管理を提供しています。シンプルな情報管理を求める企業にはライトプランが適していますが、プロセス管理や高度なカスタマイズ、外部システム連携が必要な場合はスタンダードプランが大きなメリットをもたらします。2024年11月の価格改定に伴い、導入を検討している企業は新しい料金体系も考慮し、将来の業務成長に合わせて最適なプランを選ぶことが重要です。それぞれのプランをビジネスニーズに応じて活用し、kintoneでのデータ管理と業務効率化を実現していきましょう。

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