kintoneはその柔軟性と使いやすさから、多くの企業でDX推進の一環として活用されています。しかし、業種ごとに直面する課題やkintoneの活用方法も異なるため、どの業務や用途に活用するのか見極めることが重要になります。
本コラムでは、kintoneの基本的な概要から、実際にkintoneを活用してDXを推進した14の事例をご紹介します。さらに、kintoneを効果的に活用するために重要なDX人材育成のポイントについても詳しく解説します。
kintoneは、クラウドベースの業務アプリケーションプラットフォームとして、多くの企業で採用されています。以下にて概要を詳しく解説します。
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するノンプログラミングでアプリケーションを開発できるクラウドプラットフォームです。このプラットフォームは、企業の業務プロセスを効率化するために設計されており、顧客管理、案件管理、勤怠管理、問い合わせ管理など、多様な業務システムを迅速かつ簡単に構築することが可能です。
kintoneの最大の特徴は、そのノンプログラミング環境です。ドラッグ&ドロップで直感的にアプリを作成できるため、プログラミングの専門知識がなくても、誰でも容易にシステムを構築できます。また、ユーザーが自分の業務に合ったアプリケーションを自由に作成できる柔軟性も特徴で、100種類以上のサンプルアプリを利用することで、業務に最適なアプリを迅速に導入することが可能です。
また、既存のExcelデータを取り込んでアプリ化することもでき、データ管理の効率化を図れることや、APIやJavaScriptを用いた高度なカスタマイズも可能で、既存の基幹システムと連携させることができるため、企業のニーズに合わせた柔軟なシステム構築が実現します。
1. 業務プロセスのデジタル化
まず、業務プロセスのデジタル化を促進することで、紙ベースの業務を削減し、ペーパーレス化を推進します。これにより、印刷や保管のコストを削減し、業務の効率化を図ることが可能です。また、デジタル化された情報は、リモートワークやテレワークの環境下でもアクセス可能であり、場所を選ばずに業務を進めることができます。
さらに、kintoneはワークフローの自動化と効率化を実現します。手作業で行っていたプロセスを自動化することで、ヒューマンエラーを削減し、業務時間を短縮することが可能です。kintoneの柔軟なカスタマイズ機能を活用することで、企業のニーズに合わせたワークフローを構築し、業務プロセス全体の最適化を図ることができます。
2. データの一元管理と活用
データの一元管理と活用も、kintoneが企業のDX推進に寄与する重要な要素です。kintoneはデータベースとしての機能を持ち、企業のさまざまなデータを一元的に管理することができます。これにより、データの重複や不整合を防ぎ、正確な情報に基づいた意思決定が可能になります。
さらに、kintoneのダッシュボード機能を活用することで、企業はリアルタイムでデータを分析し、ビジネスの現状を把握することができます。ダッシュボードには、グラフやチャートを組み合わせて視覚的にデータを表示することができ、経営層や担当者が迅速に状況を判断するための重要なツールとなります。
このように、kintoneは業務プロセスのデジタル化やデータの一元管理などを通じて、企業のDX推進に役立ちます。
しかし、kintoneの導入と運用には、企業のニーズに応じたアプリケーションを設計・開発できる人材が必要です。特に、JavaScriptやAPIを用いた高度なカスタマイズを行う場合、一定の技術的知識が求められます。そのため、企業は、社内でのkintoneの活用を推進するために、専門人材の育成に取り組むことが求められています。
続いて、実際にkintoneを活用したDX推進の事例を14選ご紹介します。
課題
ある地方自治体が直面している課題の一つに、紙ベースでの業務がありました。これにより、書類の保管スペースの確保や業務効率の低下が問題化しています。情報共有が難しく、必要な情報の確認に時間がかかることや、書類整理に伴う環境負荷も見過ごせません。
また、手続き関連の対応を直接窓口で行う必要があり、住民対応に多くの時間と労力が割かれています。情報管理が個人に依存しているため、データの集計や分析が進まず、業務の引き継ぎにも困難が伴っています。
kintoneの活用
これらの課題を解決するために、kintoneを活用したシステム開発が効果を発揮しています。まず、膨大な書類や資料をkintoneに集約しデジタル化することで、情報の共有と検索が容易になりました。ワークフロー機能を活用して業務の進行状況を可視化し、タスク管理機能で各部署や担当者の業務を一元管理することで、業務効率が向上しました。
さらに、オンラインでの申請や承認フローを構築し、公共施設の予約システムを導入することで、窓口対応がオンライン化され、住民の利便性が向上しました。これにより、住民満足度の向上にも寄与しています。データの一元管理により、業務の透明性が確保され、信頼性の向上にもつながっています。
また、kintoneのデータベース機能を活用して業務データを一元管理し、業務フローを明確化することで、属人化を防ぎました。問い合わせデータを多角的に分析することで、迅速な対応や改善が可能となり、住民満足度のさらなる向上が実現しました。このように、kintoneを活用したDX推進により、自治体の業務改善が進展しています。
課題
介護業界では、情報管理の効率化が課題となっています。多くの施設では、利用者情報をExcelで管理しており、情報の更新や共有に手間がかかることが一般的です。このような状況では、情報の入力ミスや更新の遅れが発生し、業務効率が低下します。さらに、各拠点で異なる情報管理方法が用いられているため、データの集計や分析に多くの時間を費やしています。
kintoneの活用
これらの課題を解決するために、kintoneを活用したシステム開発が活用されています。kintoneを利用することで、利用者情報を一元管理し、自動更新機能を活用して入力作業を効率化できます。これにより、情報の更新時間が大幅に削減され、エラーも減少します。スタッフはPCやスマートフォンを使ってリアルタイムで情報を閲覧・登録できるため、業務の効率が向上し、サービス品質の向上にもつながります。
また、kintoneのスケジュール管理アプリを活用することで、スタッフ間の情報共有がスムーズになり、利用者の状況変化にも迅速に対応可能です。タスク管理アプリを使用して、介護のタスクを分担し、進捗をリアルタイムで確認できるため、無駄な時間を削減し、介護に専念することができます。さらに、データの視覚化により、情報の理解が深まり、意思決定のスピードが向上します。
このように、kintoneを活用したDX推進により、介護業界の業務改善が大きく進展しています。業務効率の向上とサービス品質の向上を実現することで、介護施設の運営がよりスムーズになり、利用者満足度の向上にも寄与しています。
課題
小売業におけるDX推進の一例として、ある企業がkintoneを活用して業務効率を改善した事例をご紹介します。この企業は、売上管理や顧客管理を主にExcelで行っていましたが、データの消失やメンテナンスの遅れなど、Excel管理特有の非効率性に悩まされていました。特に、従業員のPCスキルの差によるトラブルが頻発し、業務の属人化も問題となっていました。
kintoneの活用
これらの課題を解決するために、この企業はkintoneを導入し、売上管理や顧客管理、商品管理を一元化しました。kintoneのシステム化により、データ入力作業が自動化され、作業スピードが大幅に向上しました。これにより、入力ミスが減少し、データの正確性も向上しました。
また、売上拡大のために必要なデータ分析も、kintoneを活用することで負担が軽減されました。kintone内のアプリを活用して、経営分析に必要なグラフ化を簡単に行えるようになり、全社員がリアルタイムで会社の状況を把握できるようになり、データに基づくコミュニケーションが活性化し、社員間の不満も軽減されました。
このように、kintoneを活用することで、小売業における業務の効率化とデータ活用が進み、DX推進に大きく寄与しています。
課題
サービス業(生活関連)において、顧客管理の課題は多岐にわたります。特に、顧客情報や営業履歴をExcelで管理している場合、データの重さや計算式のズレが原因で情報の連絡漏れが発生しがちです。このような状況では、売上を伸ばすための顧客分析が困難であり、問い合わせ件数の増加に対応しきれないこともあります。
kintoneの活用
これらの課題を解決するために、多くの企業がkintoneを活用しています。
kintoneの「顧客管理」アプリを導入することで、Excelに依存していた顧客情報を一元管理し、データの集約が実現しました。これにより、顧客管理の専任担当者が細かくサポートを行い、ミスのない対応が可能となりました。さらに、急ぎの対応が必要な場合には、kintone上で通知がされる設定を活用し、迅速な対応が可能になりました。
導入効果としては、問い合わせに対する対応が迅速になり、案件数の増加が見込まれます。また、成約数向上に向けた顧客分析が容易になり、効果的な施策の実施が可能となりました。これにより、対応スピードも向上し、迅速な見積もり提出が実現しました。kintoneを活用したこのようなDX推進により、サービス業の業務改善が大幅に進展しています。
課題
サービス業(娯楽・スポーツ)におけるDX推進の一例として、kintoneを活用した業務改善の事例をご紹介します。この企業では、情報管理が個々の社員に依存しがちで、特にExcelを用いた管理が一般的です。しかし、これにより情報の共有が困難になり、業務の振り分けや依頼情報の錯綜が発生し、対応漏れや着手の遅れが生じることが多々ありました。さらに、各拠点の状況をリアルタイムで把握することが難しいという課題も顕在化していました。
kintoneの活用
これらの課題に対して、kintoneを導入することで大きな効果を上げています。まず、情報を「顧客情報」「案件管理」「請求管理」などのアプリごとに集約し、デジタル化することで、情報の共有と検索が容易になりました。これにより、担当者が変更になっても情報の引き継ぎがスムーズに行えるようになり、知識や経験が浅いメンバーも迅速に戦力化することが可能となりました。
さらに、店舗からの依頼登録をPCやスマートフォンで簡単に行えるようにし、本部が複数人で依頼を確認して業務を振り分けることで、対応漏れや遅延を解消しました。結果報告もスマートフォンから写真を利用して行うことで、作業スピードの向上と工数削減を実現しています。
また、kintoneの報告用フォームを活用して、各拠点の情報をリアルタイムで把握できる環境を整備しました。これにより、経営層は集計データをグラフで視覚化し、迅速な意思決定が可能になりました。kintoneを活用したDX推進により、サービス業の業務効率化と顧客満足度の向上が実現しています。
課題
ある医療・福祉業の企業では、異なるシフトで働くスタッフ間の情報共有や、紙ベースでの管理が大きな課題となっていました。特に、患者情報やケア方針の統一が難しく、現場での迅速かつ正確な判断が求められる中、これらの課題は業務効率を著しく低下させていました。
kintoneの活用
これらの課題に対して、kintoneを導入することで問題を解決しています。まず、kintoneを利用して患者情報の共有ツールを導入することで、すべてのスタッフが一箇所に情報を入力できる環境を整えました。これにより、異なる時間帯に勤務するスタッフでも、方針や履歴、行動をリアルタイムで共有できるようになり、患者のケアにおける一貫性が向上しました。また、kintoneのデジタルプラットフォームにより、紙ベースの情報管理から脱却し、情報の集約と整理が実現しました。これにより、紙の書類を探す手間が省け、業務の効率化が図られました。
さらに、データの一元管理により、情報の「見える化」が進み、現場と経営レベルでの正確な判断が可能になりました。プロジェクトの進捗管理や、議事録の共有、ペーパーレス化された社内稟議など、さまざまな業務プロセスが効率化され、組織全体の業務がスムーズに進行するようになりました。
課題
ある運送業の企業では、業務効率の向上とスタッフの負担軽減を目的に、kintoneを活用したDX推進に取り組みました。この企業は、従来の紙ベースの管理体制により、遺失物や輸送物の管理に多くの時間と労力を費やしていました。特に、手作業によるミスが頻発し、顧客対応の遅れが問題となっていました。
kintoneの活用
kintoneの導入により、まず遺失物や輸送物の情報をデジタル化し、クラウド上で一元管理することを可能にしました。各拠点のスタッフがリアルタイムで情報を入力・共有できるようになり、業務の透明性とスピードが向上しました。これにより、顧客からの問い合わせにも迅速に対応できるようになり、顧客満足度の向上に寄与しています。
さらに、kintoneのアプリを活用してチェックシートをデジタル化し、タブレットを使用して現場で直接入力する仕組みを構築しました。この結果、紙の使用が大幅に削減され、ペーパーレス化を実現しました。リマインド機能を活用することで、記録や提出の漏れを防ぎ、業務の確実性が向上しました。
課題
ある学術研究・専門・技術サービス業の企業では、従来の紙ベースでの情報管理が大きな課題となっていました。膨大な書類の中から必要な情報を探すのに時間がかかり、誰がどの情報を更新したのかが不明確なため、業務の効率が低下していました。また、問い合わせ対応に多くのリソースを割かれ、人手不足が慢性的な問題となっていました。さらに、出張先や在宅勤務を希望する社員も多く、会社以外での作業環境の整備が求められていました。
kintoneの活用
このような課題を解決するために、同社はkintoneを活用したシステムを導入しました。まず、紙での情報管理を廃止し、すべての情報をkintoneに集約することでペーパーレス化を実現しました。これにより、情報の検索や共有が容易になり、無駄な時間を削減しました。さらに、問い合わせ対応に関しては、WEBサイト上のフォームからの問い合わせをkintoneに自動で蓄積する仕組みを構築し、手作業による対応時間を大幅に削減しました。
また、kintoneを活用することで、出張先や在宅勤務でも必要な情報にアクセスできる環境を整えました。これにより、社員間の情報共有がスムーズになり、業務の効率化とワーク・ライフ・バランスの向上が実現しました。このように、kintoneを活用したDX推進により、同社は業務効率の向上と働き方改革を同時に達成しています。
課題
ある建設企業では、従来の業務プロセスにおいて多くの課題を抱えていました。特に案件管理に関しては、Excelを使用していたため、現場での入力漏れや情報の抽出が煩雑で、管理に多くの時間が費やされていました。また、施主が建築状況を確認する手段が限られており、コミュニケーション不足からクレームが発生することもありました。さらに、サービス実施後の報告や納品に時間がかかり、業務効率が低下していました。
kintoneの活用
これらの課題を解決するため、この企業はkintoneを活用したシステム開発を導入しました。まず、案件管理においては、日程管理が必要な項目を定型フォーム化し、現場から即座にスケジュールを入力できるようにしました。これにより、情報の抽出や確認が容易になり、入力漏れも大幅に減少しました。施主向けには専用の建築状況共有アプリを作成し、施主がリアルタイムで進捗を確認できる環境を整えました。これにより、施主の満足度が向上し、口コミによる新規案件の増加にもつながりました。
さらに、報告業務に関しては、kintoneに業務の報告・指示系統を集約し、リアルタイムな情報共有を実現しました。帳票出力サービスを活用することで、伝票作成が迅速化され、業務の効率化が達成されました。
課題
ある飲食業の企業では、日々の業務運営においていくつかの課題を抱えていました。特に、食材の在庫管理やレシピの管理に関する問題が顕著でした。従来の方法では、食材の在庫量を正確に把握できず、発注が勘に頼ることが多く、結果として食材の無駄や欠品が発生していました。また、レシピが多岐にわたるため、管理が煩雑になり、メニュー変更時には現場への正確な情報伝達が難しい状況でした。
kintoneの活用
このような課題を解決するために、kintoneを活用したシステム開発を導入しました。まず、各店舗は必要なデータをkintoneに入力するだけで、食材の在庫状況がリアルタイムで把握できるようになりました。これにより、店舗ごとの在庫データが自動的に集計され、迅速な発注が可能となりました。さらに、レシピ情報をkintone上で一元管理し、原材料や調理手順のデータを簡単に参照できるようにしました。
この導入の結果、営業終了後の事務作業が大幅に削減され、本部での再集計業務の負担も軽減されました。リアルタイムでの情報共有が可能になったことで、現場での意思決定が迅速化し、業務の効率化と顧客満足度の向上につながっています。
課題
ある不動産企業では、業務効率化と情報共有の課題を抱えていました。営業担当者がそれぞれ個別に不動産情報を管理しており、情報が社内で共有されていないため、最新の物件情報を把握するのに時間がかかる状況でした。また、膨大な物件や顧客情報がファイルサーバー上で管理されており、必要な情報を見つけるのに時間がかかることが大きな問題となっていました。これにより、営業活動に割ける時間が限られ、業務効率が低下していました。
kintoneの活用
このような課題を解決するために、同企業はkintoneを活用したシステム開発を導入しました。まず、物件管理アプリを開発し、個別に管理されていた不動産情報をクラウド上に集約しました。これにより、情報の更新や共有がリアルタイムで行えるようになり、全営業担当者がいつでも最新の物件情報を確認できるようになりました。さらに、アプリ内に自動集計機能を搭載し、データ分析や報告資料の作成が効率化されました。
これらの取り組みにより、情報入力や集計にかかる工数が大幅に削減され、営業活動に集中できる環境が整いました。また、細かい検索機能の導入により、顧客の条件に合った物件を迅速に提案できるようになり、顧客満足度の向上にも寄与しています。
課題
ある情報通信業の企業では、業務効率化と情報共有の改善を目指し、kintoneを活用したDX推進に取り組みました。この企業では、異なる部門間での予実管理が分散しており、数値の不一致や手作業による経費精算が大きな課題となっていました。特に、Excelを用いた入力作業は複雑で、現場の更新頻度が低く、リアルタイムでの状況把握が困難でした。
kintoneの活用
営業部門の予算や見込、売上報告をkintoneに集約し、既存の販売管理システムと連携させることで、リアルタイムな予実管理を実現しました。これにより、外出先からでも迅速に数値報告が可能となり、業務部門と営業部門の売上情報管理が一元化され、確認業務のコストが大幅に削減されました。
さらに、経費精算のプロセスもkintoneを用いて効率化しました。経費計算書をアプリ化し、PCやタブレット、スマートフォンからの登録を可能にすることで、マネージャーや本部スタッフが外出先からでも承認可能となり、業務スピードが向上しました。データの登録と同時に集計が行われるため、事務処理の負担も軽減されました。
課題
ある製造業の企業では、業務効率の低下や情報管理の課題に直面していました。特に、部署ごとに異なるフォーマットで報告書を作成しており、データの集約に時間がかかる状況でした。これにより、上層部への報告が遅れ、情報の鮮度が落ちることが問題となっていました。また、社内での成功例や失敗例の共有が進まず、業務改善が滞っていました。
kintoneの活用
このような課題を解決するために、kintoneを活用しました。まず、kintoneを用いて部門内で統一された報告フォーマットを作成し、報告を一元的に集約しました。これにより、経営層は集計されたデータをグラフなどで視覚的に確認でき、意思決定のスピードが向上しました。
さらに、社内文書の管理方法も改善されました。kintoneのアプリを活用して文書を一元管理し、提出期限をリマインドする機能を導入することで、業務の進捗管理が効率化されました。これにより、文書管理の透明性が向上し、業務の確実性が増しました。
また、顧客リストの管理を紙からデジタルに移行しました。kintoneと販売管理システムを連携させ、モバイル端末からも顧客情報を確認できるようにしたことで、営業活動が大幅に効率化されました。これにより、外出先からも迅速な対応が可能となり、業務品質が向上しました。
課題
ある卸売業の企業では、業務効率の低下や情報共有の難しさが大きな課題となっていました。異なる部門が独自に予実管理を行っていたため、数字の不一致や経費精算の手書き処理が頻繁に発生し、集計に多大な工数がかかっていました。また、基幹システムが現場のスピードに追いつかず、情報連携に時間がかかることも問題でした。
kintoneの活用
これらの課題を解決するために、企業はkintoneを活用したシステム開発を導入しました。まず、営業部門の予算や売上報告をkintoneに集約し、既存の販売管理システムと連携させることで、リアルタイムな予実管理が可能となりました。これにより、外出先からでも数字の報告が可能になり、業務部門と営業部門の情報管理が一元化されました。
さらに、手書きで行っていた経費精算をkintoneのアプリ化によりデジタル化し、PCやスマートフォンからの登録を可能にしました。これにより、登録と同時にデータ集計が行われ、マネージャーや本部スタッフの承認業務が効率化されました。
また、kintoneをエリア統括メンバーのツールとして導入し、業務改善プラットフォームとして全社で活用することで、部門間の情報共有がスムーズになり、業務の再設計が進みました。これにより、急な変更にも迅速に対応できる柔軟な業務体制が整い、企業全体の業務効率が大幅に向上しました。
繰り返しとなりますが、kintoneはノーコードツールとして知られているものの、効果的なシステム開発や運用には、ツールの機能を理解することが不可欠です。
最後に、kintoneのDX人材を育成するポイントを解説します。
kintoneを効果的に活用するためには、必要なスキルを整理することが重要です。具体的には、kintoneの基本機能を理解し、アプリの作成やカスタマイズができる能力が必要です。例えば、ドラッグ&ドロップでフィールドを配置し、業務に応じたアプリをデザインするスキルは基本となります。また、プロセス管理機能を活用して、業務フローを効率化する方法を理解することも重要です。さらに、JavaScriptなどのプログラミング知識を持つことで、より高度なカスタマイズが可能となり、業務の幅を広げることができます。
kintone認定資格アソシエイトの取得をすることもおすすめです。この資格は、kintoneの基本的な操作や設定、運用に関する知識を証明するもので、取得することで自信を持って業務に取り組むことができるだけでなく、社内外での信頼性も向上します。試験を通じて、kintoneの基本機能から応用まで幅広い知識を習得することができ、実践的なスキルアップにつながります。
さらに、kintone伴走サービスを活用して教育支援を受けることも、DX人材育成の有効な手段です。このサービスでは、専門のコンサルタントが企業のニーズに合わせて、kintoneの導入から運用までをサポートします。具体的には、業務プロセスのヒアリングからアプリ開発の指導、運用後の改善提案まで、きめ細やかなサポートを受けることができます。これにより、実務を通じてスキルを磨くことができ、社内におけるkintoneの活用がより促進されます。
kintoneは、業務プロセスの効率化や情報の可視化を実現する便利なプラットフォームです。その柔軟性から業種・業界、仕事内容問わず有効なツールとなっており、多くの企業がDX推進においてその効果を実感しています。
一方で、効果的なシステム開発や運用には、専門知識が必要になるため、kintoneの導入をサポートしてほしいという方や、kintoneのアプリ開発を外部委託したい、高度なカスタマイズを依頼したいといった方もいらっしゃるかと思います。
システムクレイスでは、「kintoneアプリ開発・導入支援サービス」をご提供しており、さまざまな業種のアプリ開発や導入支援、さらにはシステムの開発・連携をお手伝いすることが可能です。30年にわたるシステム導入・運用実績と専門的な知識と技術をもとに、低コスト・短納期でご支援しkintoneによるDX推進を支援します。Kintoneの活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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