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kintoneのタスク管理で業務を効率化|アプリ開発・プラグイン活用におけるポイント

「タスクの担当者が分からない」「進捗が見えず、納期に遅れてしまう」――そんな課題を抱えている現場も少なくありません。タスク管理の仕組みは、円滑な業務運営を支える土台です。
属人化した作業やバラバラに管理されたToDoリストから脱却し、kintoneを活用してチーム全体のタスクを一元管理することで、進捗の“見える化”と“共有化”が可能になります。
本記事では、kintoneを活用したタスク管理アプリの構築手順と、業務効率化に役立つプラグインの活用方法についてわかりやすくご紹介します。

kintoneでタスク管理を行うメリットとは

属人化や進捗の見えづらさを防ぐ「見える化」の力

多くの現場では、タスク管理が「付箋」「メモ帳」「個人のToDoアプリ」「スプレッドシート」など、さまざまな手法で個別に行われています。こうした管理方法では、

・タスクの抜け漏れ
・担当者の不明や対応の遅延
・納期超過や品質の低下

といった問題が頻発しやすくなります。

特に複数の部署やメンバーが関与するプロジェクトにおいては、「誰が・何を・どこまで進めているのか」が見えないことで、全体の業務効率が大きく損なわれる原因となります。

そこで注目されているのが、業務プラットフォームであるkintoneを活用したタスク管理です。kintoneでは、単なるToDoリストとしての運用にとどまらず、「業務全体と連動したタスク管理」を実現することが可能です。

kintoneでタスク管理を行う主なメリット

1. チーム全体でタスクの進捗を「見える化」できる
kintoneでは、各タスクに「担当者」「期限」「ステータス」「関連業務」などの情報を紐付けて登録することができます。タスクリスト表示やカレンダー表示、絞り込み機能などを活用することで、「誰が、どのタスクを、いつまでに対応するのか」をチーム全体で把握できるようになります。これにより、進捗の透明性が高まり、情報共有の効率も向上します。

2. 進捗に応じた通知・リマインド機能でタスク漏れを防止
kintoneでは、「期限が近づいたら通知する」「タスク完了時にSlackへ自動連携する」などの設定も可能です。これにより、対応漏れや後手の対応を未然に防ぎ、チームメンバーが安心して業務に集中できる環境が整います。

3. 他の業務アプリとの連携で一貫性のある運用が可能
kintoneは、顧客管理・案件管理・製造管理など、他の業務アプリと柔軟に連携できます。たとえば、特定の顧客案件に紐づくタスクを一元管理することで、業務プロセス全体に一貫性を持たせることができ、部署間での連携もスムーズになります。

4. ノーコードで自社に最適なタスク管理アプリを構築可能
市販のタスク管理アプリとは異なり、kintoneでは自社の業務フローや用語、役職構成に応じてアプリを柔軟に設計できます。「ツールに業務を合わせる」のではなく、「業務にツールを合わせる」ことができるのが、kintoneの大きな強みです。ノーコードで直感的に構築できるため、現場主導での改善も進めやすくなります。

プロジェクトマネージャーや情報システム部門におすすめ

プロジェクト全体の進捗状況を可視化したいマネージャーや、社内の業務ツール整備を担う情報システム部門の担当者にとって、kintoneは「業務の見える化」と「継続的な改善」を実現するための強力なプラットフォームです。

チームや部署を問わず業務全体の流れを把握しやすくなるため、業務改善の第一歩として活用するのにも最適です。

kintoneでタスク管理アプリを作成する手順と運用のコツ

ステップ1:タスク管理アプリの設計

まずは「はじめから作成」でアプリを新規作成し、以下のような基本フィールドを設計します。

・タスク名(文字列)
・詳細(複数行テキスト)
・担当者(ユーザー選択)
・ステータス(ドロップダウン:「未着手」「進行中」「完了」など)
・期限(日付)
・関連案件(リレーションフィールドで他アプリと連携)
・優先度(ラジオボタンや数値)

また、視認性を高めるために、一覧画面には「ステータスごとの絞り込みビュー」や「ガントチャートビュー」を設定すると、より運用しやすくなります。

ステップ2:運用設計とルールの整備

アプリを作成するだけでは不十分です。日常業務の中に自然に取り込めるよう、明確な運用ルールを整備しましょう。たとえば、以下のような点をあらかじめ決めておくことが重要です。

・タスクの新規登録は誰が行うか
・ステータス更新のタイミング(例:毎日、週1回、完了時など)
・期限の延長ルール(例:延長理由をコメントで記録する)
・タスク完了時の報告方法(例:通知、コメント記入)

こうしたルールを明文化することで、運用が属人化するのを防ぎ、チーム全体でスムーズに活用できるようになります。

ステップ3:他アプリや通知との連携

kintoneでは、他のアプリとの連携(リレーション)も簡単に行えます。たとえば:

・案件管理アプリ → 各案件に紐づくタスクを管理
・顧客管理アプリ → 顧客単位での対応タスクを一覧表示
・勤怠管理アプリ → 残業時間とタスク負荷の関係を可視化

また、JavaScriptやWebhookを活用することで、Slackへの通知連携や、メールでのリマインド送信も実現可能です。

ステップ4:テンプレートの活用と継続的な改善

Cybozuが提供する「タスク管理テンプレート」を活用することで、導入初期の負担を軽減できます。さらに、運用開始後は定期的な見直しと改善を行うことが重要です。

たとえば以下のような改善が考えられます:

・フィールド項目の追加・削除
・ワークフローの変更・調整
・絞り込み条件や通知ルールの再設定

業務の変化に応じて柔軟に対応できるのは、kintoneの大きな強みです。

タスク管理におすすめのプラグイン・連携ツール

kintoneの標準機能でも十分なタスク管理が可能ですが、下記のプラグインや外部連携ツールを活用することで、さらに操作性と効率が高まります。

1. カンバンプラグイン

タスクや案件をステータスごとの「カンバン形式」で一覧表示。カードをドラッグ&ドロップで移動することで、直感的にステータス変更が可能です。作業工程の流れを視覚化することで、業務の進捗状況が一目で把握できます。

利用シーン:営業案件の進行管理、サポート対応の進捗把握、プロジェクト内タスクの整理と可視化
特徴:各ステータス列に並んだカード(レコード)を操作することで、kintoneのデータが即時更新。現場担当者の操作性が向上し、チーム内の情報共有がスムーズになります。

2. カレンダーPlus

kintoneのレコードをカレンダー形式で表示。日別・週別・月別ビューの切り替えや、ドラッグ&ドロップによる日程変更が可能で、タスクやスケジュールを直感的に管理できます。

利用シーン:チーム全体の作業スケジュール管理、会議室や設備の予約状況の可視化、イベントや案件の進行管理
特徴:予定やタスクを視覚的に把握でき、カレンダー上のレコードをクリックすれば詳細表示や編集が可能。日程の重複確認や空き時間の把握にも役立ちます。

3. Reckoner

kintoneに登録されたデータをExcelライクな表形式で出力・分析可能。複数アプリをまたいだ集計やクロス集計、条件付き集計にも対応しており、業務に必要なレポートを柔軟かつ高速に作成できます。

利用シーン:営業部門での月次レポート作成、部門間の集計比較、経営層への報告資料などに活用
特徴:ドラッグ&ドロップで集計軸や条件を設定でき、ノーコードで直感的な操作が可能。作成したレポートはExcel形式での出力にも対応し、外部共有やバックアップにも便利です。

多くのプラグインやツールでは、無料トライアルやデモ版が提供されています。そのため、実際に使用感を確認しながら、自社の業務に適したものを見極めて導入することが可能です。

まとめ

タスク管理は、あらゆる業務の基盤となる重要な仕組みです。属人化や情報の分断を防ぎ、チーム全体でタスクを共有・可視化することで、業務の抜け漏れや納期遅延のリスクを軽減できます。

kintoneを活用すれば、ノーコードで自社の業務に最適化されたタスク管理環境を構築できるほか、他の業務アプリとの連携や機能の拡張にも柔軟に対応可能です。

まずは小規模なチームからタスク管理アプリの導入を始め、段階的に全社へ展開していくことで、着実かつ持続的な業務改善が実現します。

今こそ、kintoneを活用してタスク管理の仕組みを見直してみませんか?

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