kintoneは顧客情報を「アプリ」としてノーコードで自在に設計できるクラウドサービスです。ドラッグ&ドロップで項目を追加し並び替えや必須設定を瞬時に反映できるため、営業・マーケ・サポートなど部門ごとの要望をすばやく取り込めます。Excel/CSVの一括取り込みに対応しているので既存資産をそのまま移行できる点も大きな魅力です。
さらに「レコードコメント」や「通知」により顧客情報を起点に部門横断のコミュニケーションが可能。REST APIやプラグインを活用すればMA・SFA・会計ソフトとも連携でき、顧客接点を一元化した360度ビューを実現します。セキュリティはアクセス権限やIP制限、操作ログで厳格に管理。
モバイルアプリからは名刺撮影→即登録や訪問報告も行え、現場で使いやすいUIと柔軟なカスタマイズ性、高い拡張性がそろっていることこそ、多くの企業がkintoneを顧客管理(CRM)として採用する理由です。
具体的には次の6点が高く評価されています。
①顧客情報の一元管理:検索性が高く履歴も自動保存、引き継ぎがスムーズ。
②アフターメンテ通知:定期点検や更新時期をリマインドし対応漏れを防止。
③サポート生産性向上:ワークフローとタスク機能で誰が何を担当しているか可視化。
④メール連携:メールワイズと連携し顧客ごとの送受信履歴を自動紐づけ、絞り込み一括送信も可。
⑤豊富な案件管理テンプレート:受注確度や金額を管理し売上予測まで即日可視化。
⑥活動履歴の可視化:商談報告アプリで内容を統一入力、更新時に自動通知され確認漏れを削減。
ステータス管理、条件付き書式、自動採番、リマインダー、ダッシュボードを組み合わせればリードから受注までの進捗を可視化し、抜け漏れのない顧客管理プロセスを構築できます。
kintoneで顧客管理をすれば、様々な業務改善が実現できます。
・情報の一元管理:
顧客管理にkintoneを利用することで、顧客情報を一元化し、どこからでもアクセス可能なデータベースを作成できるので、情報の散逸を防ぎ、効率的に顧客データを管理できます。
・拡張性:
kintoneは顧客管理だけでなく、様々な業務用のアプリを作ることができます。顧客管理アプリ作成から始めて、在庫管理アプリ、請求アプリ、工数管理アプリなど、少しずつアプリを作成、追加することにより、統合されたオリジナルの社内システムの構築ができます。
また、他システムとの連携も可能なため、既存のシステムと統合し、顧客管理データを活かすことができます。
・カスタマイズ性:
kintoneのプラットフォームは非常に柔軟で、ビジネスのニーズに合わせて顧客管理システムをカスタマイズできます。フィールドの追加や変更、ビューの設定、レポートの作成などが簡単にでき、特定のビジネスプロセスに合わせてシステムを調整できます。
・最新の顧客情報を常に共有:
リアルタイムで社内で情報を共有し、更新できるため、顧客情報が常に最新の状態に保たれます。社内での情報共有が迅速にでき、より効率的な業務の連携が可能になります。顧客対応の質の向上と顧客へのレスポンスタイムの向上も実現します。
・自動化と効率化:
kintoneでは、ワークフローや通知機能を設定することで、日常的なタスクを自動化できます。例えば、顧客からの問い合わせがあった際に自動で担当者に通知する設定などが可能です。これにより、手動での作業負担が減少し、効率的に業務を進められ、また、人為的なミスも軽減することができます。
・セキュリティと高度なアクセス管理:
kintoneは、アクセス権限の管理が厳密で、顧客情報のセキュリティを高く保つことができます。不要なアクセスからデータを守るために、特定のユーザーやグループのみにアクセス権を付与することができます。また、アクセス設定をした上での、取引先とのデータ連携も可能なことにより、取引の迅速なデータ連携が図れ、連絡や転記ミス等も減らすことができます。
・モバイル対応:
kintoneはモバイルデバイスにも対応しているため、外出先からでも顧客情報にアクセスし、更新することが可能です。モバイルワークを推進する企業や営業部門など外出先での業務の多い部門にとっては非常に便利です。
kintoneを導入することにより、顧客管理が効率化され、ビジネスプロセスが大幅に改善することも可能になります。
・データ分析:
kintoneの顧客管理には、データの視覚化や分析機能も備わっているため、蓄積された顧客データを基にした意思決定がより迅速かつ的確に行えます。例えば、顧客の購入履歴や問い合わせ傾向を分析し、将来のニーズを予測することで、マーケティング施策や販売戦略を最適化することが可能です。
そうすることで、顧客満足度の向上と売上の増加を期待できます。
・使いやすいUI:
kintoneのインターフェースは直感的で使いやすいため、専門的なIT知識がなくても簡単に操作できます。社内でのシステムの導入やトレーニングコストを抑えながら、従業員全体のITリテラシーを向上させることができます。
顧客管理業務が標準化されることで、情報の透明性が増し、チーム全体で顧客対応の質を均一に保つことができる点も大きな利点です。
・API連携:
kintoneはAPIを通じて他のクラウドサービスやツールと連携することができるため、既存の業務フローにスムーズに統合できます。例えば、メール配信サービスやカレンダーアプリ、タスク管理ツールと連携することで、より一層の業務効率化が図れます。これにより、顧客とのコミュニケーションを一元管理し、営業活動の計画やフォローアップも漏れなく行うことができます。
【関連リンク】kintone(キントーン)とは?特徴やメリットを解説!
【関連リンク】kintoneでできることとは?機能や特徴を紹介
【関連リンク】kintoneのAPI連携とは?kintone APIを用いたカスタムアプリ開発のポイント
kintoneは汎用プラットフォームゆえに「何でもできる」反面、CRMに特化した専用製品と比べて次のような課題があります。
1. 専用CRMと比べて標準機能が物足りない
商談フェーズ別レポートやステップメールなど、CRMに特化した高度機能は初期状態だと備わっておらず、追加設定や外部ツール連携が前提になります。
2. 拡張時に開発・保守コストがかかる
不足分をプラグインやJavaScriptで補う場合、設計・検証・バージョンアップ対応を含めた技術者工数と委託費用が発生します。
3. ユーザー数増加でランニングコストが膨張
課金は人数単位のため、営業・サポート・マーケなど利用部門を広げるほど月額費が上昇し、長期的には専用CRMより高くつくケースもあります。
4. 大量レコード時のパフォーマンスと分析制限
数十万件規模のデータを蓄積すると一覧表示や検索速度が低下し、詳細分析は外部BIへエクスポートする必要が出てきます。
5. 通知・コメントの過多で“アラート疲れ”を招く
レコード更新やリマインダーが多すぎるとメールが氾濫し、現場が通知を無視して入力モチベーションが下がるリスクがあります。
6. クラウド依存ゆえの接続制約と権限運用の負荷
オフライン環境では操作できず、IP制限やアクセス権を細かく設定しないと情報漏えいリスクが高まるため、管理者の工数が増えがちです。
kintoneを利用して顧客情報を一元管理することで、顧客情報という会社の資産を有効に使うことが可能になります。
例えば…
営業部においては、kintoneで顧客データを管理することにより、営業担当者が外出中でもタブレットやスマートフォンを通じて顧客情報にアクセスし、商談の最新状況を更新することができます。これにより、社内とのスムーズな連携が可能となり、商談をより効率的に進めることができます。
管理部門では、kintoneを使用して得た顧客別の商談データから、人材や資源の配置を戦略的に計画することができます。経理部では、請求や入金の処理を迅速に行い、全体の経理業務の効率化を図ることが可能です。
経営層にとっては、顧客情報、商談情報、売上データをリアルタイムで一元的に把握できるため、より簡単にデータの集計や分析を行い、効果的な経営戦略を立案することができます。
kintoneを導入して成果を上げるには、「設計」「移行」「定着」「改善」の4フェーズを意識することが不可欠です。以下の手順とポイントを押さえれば、現場に根付く顧客管理基盤を短期間で構築できます。
1.導入前準備
最初に目的とKPIを明確化します。「顧客対応の工数を30%削減」「失注理由を可視化して再提案率を15%向上」など、具体的な数値を設定しましょう。次に現行業務を棚卸しし、必要なデータ項目を洗い出します。Excelや名刺管理ソフトなどバラバラに散在する情報をリスト化しておくと後工程がスムーズです。
2. アプリ設計
洗い出した項目を基にフィールドを配置し、入力制御や自動採番を設定。部門によって閲覧すべき情報は異なるため、レコードアクセス権やフィールド権限を細かく設けます。ワークフローを併用する場合は、営業→見積→請求といった承認経路をアプリ内に組み込みましょう。ここで作り込み過ぎると運用が硬直化するので、8割完成を目安にスモールスタートするのがコツです。
3.データ移行
CSVエクスポートした既存データをクレンジングし、重複や表記ゆれを排除します。テスト環境で小規模にインポートし、検索・集計が正しく機能するかを確認してから本番投入しましょう。移行直後は「旧システムの入力を止めるタイミング」を明確にし、二重入力期間を最小限に抑えることが重要です。
4.運用定着
ローンチ後は操作研修とマニュアル整備をセットで実施します。入力ルールを揃えるため、ビューやグラフを活用して「入力すれば得をする」状況を作ると定着が早まります。通知は最初から全てオンにすると過負荷になるため、リマインダーや未入力アラートなど業務クリティカルなものに絞りましょう。
5.継続的な改善
月次レビューでKPIを確認し、「使われていないフィールドの削除」や「API連携による自動化」など、小さな改善を繰り返します。プラグインや外部サービスを追加する際は、負荷テストと権限の再点検を忘れずに。定期的にアンケートを取り、現場の声を取り込むサイクルを回すことで、kintoneは“生きたCRM”へと進化します。
これらのステップを丁寧に実行すれば、kintoneの柔軟性を最大限に引き出し、顧客体験と組織の生産性を同時に高めることができます。
システムクレイスでは、kintoneで顧客管理アプリの開発を数多く手掛けてきました。
ここでは、小売業でkintoneの顧客管理システムを核としたシステムの開発事例をご説明します。
1. 顧客セグメンテーションによるキャンペーン企画アプリ
顧客管理を利用して、顧客を異なるセグメントに分類し、マーケティング戦略を立案し、売上を伸ばすのに成功。購入頻度、平均購入金額、居住地域、購入カテゴリ(衣料品、電子製品など)に基づいて顧客をグループ化し、この情報を利用して、ターゲットとなる顧客グループに合わせた特別なプロモーションやパーソナライズされたマーケティングキャンペーンを展開しています。社内のキャンペーンの一覧もすぐに閲覧可能なので、キャンペーンの展開もスムーズ。来店回数の増、売上の増を実現できました。
2. 購入履歴の追跡と分析
顧客ごとの購入履歴を詳細に追跡し、そのデータを分析することで、パターンや嗜好を予測します。例えば、特定の季節やイベント(クリスマス、バレンタインデーなど)に購入が増加する顧客に対して、早期購入割引のキャンペーンを行い、顧客一人当たりの売上を増加に成功しています。
3. クロスセルとアップセルの機会の特定
kintoneのデータ分析機能を活用して、クロスセルまたはアップセルの可能性が高い顧客を特定しています。たとえば、特定の商品を購入した顧客に対して関連商品やアクセサリーを推薦することで、一人当たりの売上を増加させることができます。
4. 顧客フィードバック&クレームの管理
また、kintoneを使って、顧客からのフィードバックやクレームを管理しています。顧客からのフィードバックやクレームをステータスと共に登録することで、即時対応が必要なものには自動で担当者にメッセージが届きます。担当者が問題に迅速に対応することにより、顧客満足度の向上につながっています。また、お客様のニーズを販売戦略に活かすことができるので、余剰在庫や品切れなどの削減ができ、在庫管理がスムーズになりました。
5. リアルタイム在庫管理と統合
kintoneで顧客の購買行動と在庫レベルをリアルタイムでリンクさせることで、余剰在庫や在庫不足を軽減していています。顧客が頻繁に購入する商品の在庫が低下すると、自動的に再注文のメッセージが担当者に届きます。
6. モバイルアクセス
店舗スタッフが、タブレットやスマートフォンを使用して、店頭で顧客情報にアクセスできるので、顧客の購買履歴や好みを即座に確認でき、顧客とのコミュニケーションが向上するだけでなく、キャンペーン中の志向に合わせた製品を提案することで、一人当たりの売上高の増も実現できています。
kintoneで顧客管理システムアプリを作成すれば、kintoneの柔軟なカスタマイズ性により、独自のビジネスニーズに適したシステムができ、顧客満足度を高めると同時に、売上向上の機会を創出できます。
kintoneで顧客管理システムを行うには、自社内で作成する方法と開発会社に依頼するという2つの方法が考えられます。
1.アプリを新規作成:
kintoneにログインし、ダッシュボードから「アプリ」ボタンをクリック。
「新規アプリ作成」から「空のアプリ」を選択。
2.フィールドの追加:
顧客情報に必要なフィールド(名前、電話番号、メールアドレスなど)を追加。
各フィールドのプロパティを設定し、保存。
3.アプリのレイアウト調整:
ドラッグ&ドロップでフィールドを配置。
必要に応じてグループ化やセクションを追加し、見やすいレイアウトに整える。
4.アプリの公開:
アプリの設定が完了したら「アプリを保存」し、「アプリを公開」をクリック。
5.運用開始:
顧客情報を登録し、運用を開始。
これで、kintoneを使った顧客管理が簡単に行えます。
また、既存の顧客リストであるExcel や CSVファイルを読み込んで作成することもできます。
サイボウズ社で用意されているサンプルアプリを利用すると容易に始めることができます。「アプリを作成」→左側のメニューの「営業・セールス」より「顧客リスト」を選択し、ダウンロードします。サンプルアプリを使用する利点は、ゼロからアプリを開発する時間とコストを削減できる点にあります。kintoneのアプリの改変は簡単にできるので、必要に応じて、項目の追加・削除・変更などカスタマイズも簡単です。自社にあった顧客管理システムを作成することができます。
開発会社に依頼して顧客管理システムを作成する場合、外注費用がかかる一方で、社内に専任の情報システム担当部署がなくても迅速かつ容易に導入することができます。プロフェッショナルの視点で作成されたシステムは、貴社の具体的なニーズを満たし、使いやすさを重視した設計のシステム構築を実現します。
・外注開発のメリット:
迅速な導入:開発会社の専門知識と経験により、短期間でシステムを構築・導入できます。
・カスタマイズ性:
自社では難しいカスタマイズも、開発会社ならJavaScriptやCSSを使用して対応可能。特に、貴社の業務フローに合わせた柔軟なシステム構築が期待できます。
・使いやすさ:
ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの専門家が設計するため、直感的で操作しやすいシステムが構築されます。
・豊富な連携機能:
kintoneの豊富なプラグインやAPIを活用し、既存の他システムとのスムーズな連携や他システムのデータ移行など既存のデータも活かすことができ、業務効率の改善が実現できます。
・導入後のサポート:
導入後も、開発会社のサポートにより、システムの運用や保守をスムーズに行えます。また、必要に応じたアップデートや改善も迅速に対応してもらえるため、常に最新の状態でシステムを運用することができます。
顧客管理システムの外注開発は、費用対効果が高く、短期間で高品質なシステムを導入したい企業にとって非常に有益な選択肢です。プロの手によるカスタマイズとサポートにより、貴社のビジネスニーズに完全に合致したシステムが実現します。
システムクレイスは、30年以上にわたり販売管理システムなどの基幹システムの構築を手掛けてきた実績があります。この豊富な経験とノウハウを活かし、kintoneを用いた顧客管理アプリの開発でも、お客様のニーズにぴったりのシステムを提案いたします。開発の依頼なら、是非、システムクレイスをご検討ください。
・豊富な経験:
30年以上にわたる基幹システムの構築実績を持つシステムクレイスは、あらゆる業種・業態に対応したシステム開発が可能です。
・お客様のニーズに応じた提案:
お客様の具体的な要望を丁寧にヒアリングし、それに基づいた最適なシステムを提案いたします。
・カスタマイズ対応:
「もっと使いやすいアプリにしたい」「特定の機能を追加したい「もっと見た目をよくしたい」といったカスタマイズのご要望にも柔軟に対応いたします。
・kintoneの専門知識:
kintoneの豊富な機能を最大限に活用し、シームレスなシステム連携やプラグインの活用を通じて、お客様の業務効率を向上させます。
まずはご相談ください。
自社のkintoneで作成した顧客情報アプリの改善やカスタマイズについてお考えなら、ぜひシステムクレイスにご相談ください。サイボウズ認定資格を保有する専門のスタッフが丁寧に対応し、最適な解決策をご提案いたします。
kintoneアプリの開発・カスタマイズに関するご相談・ご質問などお気軽にお問い合わせください