リモートワークやチームでの業務が増える中、クラウドサービスを利用すれば、どこでも手軽かつ円滑に業務を進めることができます。そんな業務効率化やチームコラボレーションを強力に進められるkintone(キントーン)について、特徴やメリットをご紹介します。
kintoneとは、サイボウズ株式会社が提供する、プログラミングなしで、誰もが手軽に業務アプリを開発できるクラウド型のプラットフォームです。導入企業数は30,000社を超えており、毎月の新規導入は約500社(※2023年7月末時点)といわれています。
近年はDXを推進したい、業務効率化を進めたい企業が増えていることもあり、ますます注目を集めています。
kintoneの特筆すべき点は、ノーコード・ローコードで、ITの専門知識がなくても、業務に最適化されたアプリケーションを構築できる点です。
従来、システム開発にはエンジニアの支援が不可欠でしたが、kintoneはこれを変革し、業務部門が主体となってアプリを作成・改善できるようになりました。
例えば、営業チームが顧客管理システムを自ら構築したり、総務部が勤怠管理アプリを簡単に作成することができるようになります。
これにより、各部署が独自のニーズに即した業務改善を自律的に行える環境が整います。
kintoneの大きな特徴は、業務内容に適した基幹システムや業務システムを手軽に開発することができる点にあります。操作はドラッグ&ドロップで簡単にプログラミングなしで開発できるため、社内でも多くの人が利用することができます。
例えば、顧客管理や案件管理、勤怠管理、日報、経費精算、問い合わせ管理など、多岐に渡るシステムが開発できます。
またチーム・部門単位での複数のメンバー同士のコミュニケーションに適したSNS機能を有していることも特徴です。クラウドサービスなので、いつでもどこからでもアクセスし、業務に活用したり、チームメンバーとコミュニケーションを取ることが可能です。
kintoneを導入することにより、次のようなメリットが得られます。
ノーコード・ローコードでアプリが開発できるツールであるkintoneは、非エンジニアであってもスピーディーにアプリの開発が可能です。kintoneアプリストアでは、業種・業務などによりあらかじめサンプルアプリが100種類以上用意されているので、それらのうち、業務に合ったものを選んで追加することができます。また、拡張機能としてプラグインを利用したり、外部サービスに連携したりすることで、その利活用の範囲をさらに広げられます。
kintoneの特徴の一つであるSNS機能は、チームでの作業効率化とコミュニケーション円滑化に寄与します。コメント機能やチームごとのスペースを作成し、チャットや掲示板などのスレッド形式でのコミュニケーションも実現できます。また顧客や取引先を招くことができる「ゲストスペース」を活用すれば、企業間プロジェクトも円滑に進められます。
現行の業務には、さまざまな課題があると思われます。それらの課題を解決するためにkintoneが役立つこともあります。例えば、情報の一元化によるデータ活用促進や、入力や集計の自動化による省人化などにつながります。これらは業務効率化やパフォーマンス向上に寄与するでしょう。
kintoneは社内のデータや情報を効率的に管理するのにも役立ちます。社内データはkintoneを見ればすぐに手に入る状況にすることができます。情報共有性も高いため、メール添付での送付なども不要になり、スムーズな意思疎通や情報共有が可能になります。
kintoneは、セキュリティ面が強化されているため、安心して利用できます。不正アクセスや不正ログインを予防する対策が万全に整えられており、社外の環境からアクセスする際にも、安全に接続が可能になります。
kintoneでは、具体的にどのようなことが可能なのでしょうか。そこで、アプリの例を部門・部署別にご紹介します。
基本的に、アプリにはデータを蓄積・一覧・検索できるデータベース機能と、業務を円滑に進めるためのコミュニケーション機能が備わっていることを押さえておきましょう。
営業部門においては、商品見積書、ワークフロー(申請)、日報、案件管理、顧客リスト管理などのデータを取り扱い、管理できるアプリがあります。
商品見積書アプリには、商品の見積書を効率的に作成できる機能が備わっており、コメントや変更履歴も見ることができ、さらに印刷出力もワンクリックで手軽に行えます。
ワークフローアプリでは、自社の承認フローに合わせて自由に設計でき、申請されるとスマホに通知を出すこともでき、承認はボタン一つで行えます。
日報アプリでは、日々の業務内容や報告事項、一日を通して感じたことなどを記載し、報告・蓄積していくことができます。
顧客サービス・サポート業務においては、顧客からの問い合わせ管理、アンケート、顧客リスト管理などのアプリが活用できます。
問い合わせ管理アプリでは、顧客からの問い合わせ内容や対応履歴を記録・蓄積していくことができます。対応状況の可視化で、対応漏れのリスクを防ぐこと可能です。
アンケートアプリでは、顧客へアンケートを実施した後、回答を蓄積・集積できます。結果の集計・分析が一瞬でできる上に、アクセス権限設定でセキュリティ面も安心して活用できます。
総務・人事部門においては、タイムカード、ワークフロー(申請)、備品在庫管理などのアプリが活用できます。
タイムカードアプリでは、勤務の記録・申請・管理が効率的に行えます。出勤・退勤時刻の入力により、自動的に勤務時間を計算します。スマホからワンクリックで申請・承認ができるので、スムーズな勤怠管理が可能になります。
情報システム部門などでは、プロジェクト管理などのアプリが役立ちます。
プロジェクト管理アプリでは、進捗状況が可視化される上に、レポート機能があり、全体の進捗をビジュアル的にグラフなどで表示できるので、直感的に把握することもできます。社外メンバーとのやり取りも一元管理できる機能もあります。
部門共通で扱うアプリとしては、在庫管理や議事録管理アプリが便利に使えます。
在庫管理アプリには、備品と製品それぞれサンプルアプリが用意されています。在庫数を効率的に管理でき、グラフや集計表で瞬時に確認できるので、全体を把握しやすく、発注漏れなども防止できます。
kintoneを企業が活用したことで、成果につながった事例をご紹介します。
kintoneのカスタマイズ性を活かし、営業部門の売上管理システムを開発した事例です。
取引先から受注した後、まず売上情報をkintoneに入力します。すると入力データは一元的に管理されるようになり、部門内のメンバーは常にリアルタイムで最新の売上状況の確認が可能になりました。売上情報が蓄積されていけば、取引先や商品ごとの売上推移のグラフ化による可視化が実現し、営業戦略の見直しや目標達成度の確認などにも活用できます。
従来のExcel管理と比較して、データ整理の負荷やエラーによるデータの不整合の減少につながり、営業部門全体の生産性向上に寄与しました。
【関連リンク】kintoneで開発する 売上管理システム開発
建設業においては、案件管理をExcelで運用するケースがあり、入力漏れやチェックの工数増大、伝票・納品書作成の手間と時間を課題に感じていることがあります。
そこでkintoneで案件管理を行うようにした事例があります。案件発生後にすぐに現場で今後のスケジュールを入力し、絞り込む表示機能や検索機能を活用し、案件ごとや進捗段階ごとに状況確認を進められるようにしました。その結果、登録業務が容易になり、情報共有の円滑化が実現。入力漏れなどの人的ミスの減少やチェック工数削減など業務効率化につながりました。
【関連リンク】kintone 業種別活用事例 建設業のシステム開発例
ある新聞社では、kintoneを約5,000人が利用する情報共有基盤として活用しています。全体を見通せるポータル機能のほか、お知らせ、アンケート、読者応答、営業日報などの多くのアプリが利用されており、日々の業務を効率化しています。
情報の検索性を高めるための工夫を、あらゆる箇所に施すことで、ユーザーが使いやすくしている点も注目です。
kintoneは、手軽に利用できる業務効率化を進められるサービスです。よりその機能を自社業務に最適化していくためには、独自のアプリを開発し、カスタマイズすることが有効です。
システムクレイスでは、kintoneアプリ開発・カスタマイズサービスをご提供しております。30年に渡って蓄積してきたシステム導入・運用の知見や豊富なシステム知識を駆使して、UI(ユーザーインターフェース)のカスタマイズやデータ処理の自動化、外部サービスとの連携などにより、貴社の業務の効率化をお手伝いします。
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