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kintoneで売上管理を効率化
~kintone活用のメリットを事例を交えて解説

kintoneとは

kintoneは、サイボウズが提供するクラウドベースの業務アプリケーション作成プラットフォームです。このプラットフォームを使用すると、プログラミングの知識がなくても、カスタムアプリケーションを迅速に作成し、業務プロセスを自動化および効率化することができます。kintoneでは、データの収集、管理、共有が容易に行え、チーム全体での情報共有や協働作業を促進します。

kintoneの主な機能には、以下のようなものがあります。

1.アプリのカスタマイズ
ドラッグ&ドロップの操作で簡単にアプリを作成できます。フィールドの追加、レイアウトの調整、フォームのカスタマイズが可能です。

2.ワークフローの設定
業務プロセスを自動化し、承認フローや通知を設定することができます。これにより、業務の効率化と透明性が向上します。

3.データの可視化
グラフやチャートを用いてデータを視覚的に表示することができます。これにより、データの分析が容易になり、意思決定が迅速かつ的確に行えます。

4.モバイル対応
モバイルデバイスからもアクセス可能で、外出先でもデータの確認や入力ができます。

5.APIと連携
他のシステムやサービスと連携するためのAPIが提供されており、データの連携や統合が容易です。

6.コミュニケーション機能
kintoneは、チーム内のコミュニケーションを円滑にするための機能も充実しています。例えば、各アプリやレコードにはコメント機能があり、直接フィードバックやディスカッションを行うことができます。そうすることで、メールや別のチャットツールを使わずに、関連する情報を一元管理できます。また、通知機能も備わっており、特定のアクションが発生した際に担当者にリアルタイムで通知が送られるため、迅速な対応が可能です。

7.セキュリティ機能
データのセキュリティはビジネスにおいて非常に重要です。kintoneでは、ユーザーごとにアクセス権限を細かく設定できるため、機密情報の保護が確実に行えます。また、IPアドレス制限や二要素認証など、セキュリティレベルをさらに高めるための機能も提供されています。これにより、外部からの不正アクセスを防ぎ、安心して利用することができます。

8.レポート機能
業務の進捗状況や成果を把握するためのレポート機能も充実しています。定期的に自動生成されるレポートや、カスタマイズ可能なレポートを作成することで、業務のパフォーマンスを継続的にモニタリングすることができます。これにより、問題点の早期発見や改善策の立案がスムーズに行えます。

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kintoneが売上管理に活用できる理由

売上管理の現場では「最新数字が見えない」「部門ごとに入力形式が違う」「属人的な集計でミスが起こる」などの課題が常に付きまといます。kintoneはこれらを根本から解決できるため、売上管理プラットフォームとして高く評価されています。

1. ノーコードで柔軟にカスタマイズできるアプリ構造
取引先マスタと案件テーブルを関連付け、入力欄をドラッグ&ドロップするだけで自社仕様の売上台帳が完成します。書式や必須項目もGUIで設定できるため、従来Excelの関数やマクロに費やしていた工数を大幅に削減しつつ標準化を実現。初期導入後も現場の要望に応じて画面を差し替えられるので、運用と改善を同じプラットフォームで完結できます。

2. プロセス管理機能で売上確定までを自動ガイド
見積作成→受注→納品→請求→入金確認というフェーズを設定し、レコードが進むたびに担当者へ自動通知。承認後でなければ次工程へ進めないルールにより、入力漏れ・重複計上・属人化を根絶します。履歴はタイムスタンプ付きで残るため監査対応も容易。結果として営業は数字入力ではなく顧客対応に時間を割け、組織全体の生産性が向上します。

3. リアルタイム集計とグラフ化で意思決定を高速化
レコード保存と同時に売上合計や予実差が再計算され、ダッシュボードへ即反映。四半期別・担当者別など自在な切り口でグラフを切り替えられ、会議前の資料作成がほぼ不要になります。経営層も同じ画面を閲覧でき判断スピードが向上。CSV出力で税理士や外部コンサルとも同一データで議論でき、コミュニケーションロスを防ぎます。

4. 外部サービス連携でデータを一元化
標準APIやプラグインにより会計ソフト、SFA、BIツールと双方向連携。売上データを二重入力せずに仕訳やレポートへ自動反映できるため、バックオフィスの転記コストとヒューマンエラーを削減します。WebhookでSlackへ速報を流すことも容易。部門間で分散していた基幹情報を集約し、真の360度ビューを実現します。

5. モバイル対応と堅牢な権限設定でどこでも安全入力
スマートフォンアプリから商談直後に金額を登録でき、本部はリアルタイムに状況を把握。IP制限・二要素認証・項目単位の閲覧制御を組み合わせれば、社外ネットワークからでも安心して運用可能です。出張の多い営業組織でも最新情報が共有され、締め処理が驚くほどスムーズに。月末の駆け込み入力が不要となり、働き方改革の観点でも好影響をもたらします。

kintoneで売上管理をするメリット

kintoneを用いて売上管理を行うことで、以下のような数々のメリットがあります。

1. 工数削減
手動でのデータ入力や集計作業を自動化することで、業務効率が向上し、工数を大幅に削減できます。例えば、売上データを一度入力すれば、複数の報告書や分析に自動的に反映されるため、二重入力の手間が省けます。

2. ヒューマンエラーの防止
自動化されたプロセスにより、データ入力ミスや計算ミスを防ぐことができます。これにより、正確な売上データを維持できます。また、データの一貫性が保たれるため、異なる部門間でのデータの齟齬を防ぐことができます。

3. クラウドで情報を確認できる
kintoneはクラウドベースであるため、インターネットに接続さえしていれば、どこからでもリアルタイムで売上情報を確認することができます。これにより、リモートワークや出張中でも最新の売上データにアクセス可能です。

4. 情報の一元化、共有、データの可視化
売上データを一元管理することで、情報のばらつきを防ぎ、全社的なデータの共有が容易になります。また、グラフやチャートを用いてデータを視覚的に表示することで、分析や意思決定が迅速かつ的確に行えます。部門ごとの売上状況や製品ごとの売上動向をリアルタイムで把握できるため、迅速な経営判断が可能になります。

5. コミュニケーションの強化
kintoneのコメント機能を使用すると、売上データに対してフィードバックや質問を直接追加することができます。これにより、チーム間のコミュニケーションが促進され、問題解決が迅速になります。

6. カスタマイズ性の高さ
各企業のニーズに合わせてアプリをカスタマイズできるため、業界やビジネスモデルに応じた売上管理システムを構築できます。例えば、製造業向けの特定の要件や、サービス業向けの独自のプロセスに対応したカスタムフィールドやワークフローを追加できます。

kintoneの売上管理機能を活用した事例

kintoneの売上管理機能を活用する具体的な事例をいくつか紹介します。

1. 予算管理への活用
予算と実績の管理をkintoneで行うことで、予算の超過や不足をリアルタイムで把握し、適切な対応が可能になります。例えば、年間予算を月ごとに分割し、各月の実績と比較することで、どの時点で予算の調整が必要かを早期に特定できます。

2. サービス業での活用
サービス業では、顧客ごとの売上を詳細に管理し、提供するサービスの評価や改善に役立てることができます。例えば、顧客満足度調査の結果と売上データを組み合わせることで、サービスの質と売上の相関関係を分析し、改善策を講じることができます。

3. 不動産業での活用
不動産業では、物件ごとの売上や経費を一元管理し、収益性の高い物件の特定や投資判断の材料とすることができます。例えば、各物件の賃貸収入と維持費を比較し、最も収益性の高い物件にリソースを集中させる戦略を立てることができます。

kintoneの売上管理アプリを開発する方法

kintoneの売上管理アプリの開発は、以下のステップで行います。

1. アプリの作成
kintoneのポータル画面から「アプリを作成」を選択し、売上管理アプリの基本構成を設定します。この段階では、アプリの名前や説明を決定します。

2. フィールドの追加
売上データを入力するためのフィールド(例えば、顧客名、売上額、日付など)を追加します。これには、テキストフィールド、数値フィールド、日付フィールド、ドロップダウンメニューなどがあります。

3. プロセス管理の設定
売上データの承認フローやステータス管理など、業務プロセスを設定します。例えば、売上データが入力された後に上司が承認するプロセスを追加することができます。

4. データのインポート
既存の売上データをCSVファイルなどからインポートし、kintone上で管理します。これにより、過去のデータも一元管理することができます。

5. カスタマイズ
JavaScriptやプラグインを使用して、アプリの機能を拡張します。例えば、売上データの集計や分析を自動化するスクリプトを追加することができます。また、特定の条件に基づいてアラートを設定し、重要なイベントに対する通知を行うことも可能です。

6. テストと展開
開発が完了したら、アプリをテストして動作確認を行います。その後、実際の業務で使用するために展開します。テスト中に見つかった不具合や改善点を修正し、アプリの品質を確保します。

他の売上管理ツールとkintoneで開発する売上管理アプリとの比較

ここまでで「自社にフィットする売上管理アプリをkintone上で開発する方法」を説明しました。しかし、市場にはSalesforce・freee・Zoho CRM・Excelテンプレートなど多様な既製ツールも存在し、「結局どれを選ぶべきか」で迷う企業は少なくありません。以下では、代表的なパッケージ製品とkintone自社開発アプローチを、5つの軸で横並び比較し、それぞれが最適となるシーンを整理します。

1. 初期導入コスト・スピード
パッケージ製品は月額ライセンスだけで即日利用できる反面、プラン追加やユーザ増でランニング費用が膨らみがちです。kintoneは1ユーザー780円から導入可能で、アプリは自社で作るため追加開発費が読める点がメリット。要件定義さえ固まっていれば、ドラッグ&ドロップで1日以内にプロトタイプを公開できるため、導入スピードも遜色ありません。

2. カスタマイズ性・業務適合度
既製ツールは画面・項目・帳票が固定化されており、特殊な請求サイクルや複雑な歩合計算を持つ企業では“運用をツールに合わせる”必要があります。対してkintoneはフィールドの追加、計算式、関連レコード一覧まで自在に設計可能。現場が日々変えるルールに即応できるため「現場起点の改善サイクル」を回しやすい点で大きな差が生まれます。

3. 他システム連携・拡張性
Salesforceやfreeeは純正コネクタが豊富な一方、カスタムAPIの利用には上位プラン契約や追加課金が必要です。kintoneはREST APIとWebhookが標準開放されており、会計ソフト、MA、BIと双方向連携が可能。JavaScript/プラグインで機能を追加できるため、自社エンジニアや外部パートナーがいれば“欲しい機能を自力で作る”自由度があります。

4. 運用・保守負荷
クラウド型パッケージは自動アップデートで楽ですが、UI変更に伴いマニュアル改訂や社員教育が都度発生します。kintoneの場合、アプリ構造を社内で把握しているため影響範囲を自分たちでコントロール可能。障害時もサイボウズのSLAが確保されているほか、ユーザ会・コミュニティが活発で情報収集が容易なのも利点です。

5. 事業成長・スケーラビリティ
企業規模が拡大し売上データが数十万件規模になると、パッケージはプランアップや別製品乗り換えが課題に。kintoneは1アプリ最大150万件まで標準で扱え、データ分割やアプリ階層化で更なる拡張も可能です。また、海外拠点や新規事業ごとにアプリを複製してローカライズできるため、組織変化へ柔軟に追随できます。

要するに、標準機能で十分まかなえる中小規模・短期利用ならパッケージ製品が手軽。一方、「自社固有プロセスをそのままシステム化したい」「成長に合わせて自由に作り替えたい」企業には、kintoneによる売上管理アプリ開発が最適解となるでしょう。

予実管理アプリの作成方法

1.予算管理アプリと実績管理アプリを作成する
上記の方法で、予算を管理するアプリと実績を管理するアプリを作成します。統合して一つのアプリで管理することも可能ですが、予算はあらかじめ決められた情報なものに対して、実績は日々変動する情報を蓄積していくため、分けて作成することで管理と分析の精度を向上させます。

2.予算データのインポート
予算管理アプリには年度や対象月、予算額など、決められた情報を入力します。部門別や月別など、自社の管理方法に合わせたデータを入力していきます。csvファイルによる一括書き込みも可能です。

3.実績の入力
実績管理アプリには、日々の実績を入力します。部門、担当者、顧客名、売上額。受注日など、自社の管理手法に合わせたデータを入力していきます。できるかぎり、予算管理アプリ内にある項目は最低限として網羅しておくことがポイントです。

4.差分を計算する
kintoneには、計算式フィールドと呼ばれる四則計算や簡単な関数を組み込めるフィールドが標準機能として用意されているため、計算式フィールドを活用することで予算と実績の差分を自動で計算することができます。

5.前年と比較する
関連レコード一覧という機能を活用することで、条件に合った他のデータを表示させることができます。例えば、「前年、同月、同部門」という条件で表示させることで、前年の実績との比較も可能です。プラグインやカスタマイズを組み込めば、自動で前年比の割合を計算することもできるようになります。

kintoneの売上管理アプリの開発事例

システムクレイスでは、以下のような売上管理アプリを開発しています。

1. 売上管理システム開発
顧客ごとの売上データを一元管理し、月次や四半期ごとの売上報告を自動生成するシステム。このシステムでは、売上データの集計や分析が自動化され、迅速かつ正確なレポート作成が可能です。

【関連リンク】kintoneで開発する売上管理システム開発

2. 見積もり管理システム
見積もりの作成から承認、そして実際の売上に至るまでのプロセスを一元管理するシステム。このシステムにより、見積もりと実際の売上のギャップを減らし、顧客とのコミュニケーションを円滑にします。

【関連リンク】kintoneで開発する​見積管理システム開発

3. 受注管理システム
受注情報をリアルタイムで管理し、在庫管理や出荷管理と連携させることで、業務全体の効率化を図るシステム。このシステムでは、受注から出荷までのプロセスがシームレスに連携し、迅速な対応が可能になります。

【関連リンク】kintoneで開発する​受発注管理システム開発

kintoneで開発する売上管理アプリ導入前のチェックリスト

「事例を見て自社にも取り入れたい」と感じても、勢いだけで構築を始めると“あとから大改修”のリスクが高まります。kintoneは後修正に強いとはいえ、導入前に現状とゴールを棚卸ししておくことが成功の近道です。以下のチェックリストで抜け漏れを防ぎましょう。

1. 現在の売上データの所在と粒度
Excel、基幹システム、SFAなど複数に散在していないかを確認し、案件単位か月次合計かなど粒度も整理。取り込み用CSVの有無やデータクレンジング工数も見積もる。

2. プロセスと承認フローの定義
見積→受注→納品→請求→入金までのステージを洗い出し、誰がいつ承認するかを明文化。後から変更は可能だが“現状の標準ルート”が決まっていると設計が早い。

3. レポート・KPIの要件
経営層が即時把握したい指標(粗利率、月次推移など)と現場が毎日追う数字(案件フェーズ別金額、個人目標達成率など)を列挙。ダッシュボードで必要な切り口を決めておく。

4. 外部システム連携の範囲
会計ソフトやMAツール、BIとの双方向同期、Slack通知などデータを“いつ・どこへ”流したいかを整理。API接続可否や運用担当も合わせて確定する。

5. セキュリティと権限制御
部署・役職による閲覧/編集制御、IP制限、二要素認証などのポリシーを定義。情報システム部門と早めに擦り合わせ、監査・法令要件も確認する。

6. 運用体制と改善サイクル
アプリ管理者、QA窓口、改善提案の受付方法を決定。リリース後は月次でレビューし軽微な修正を素早く反映できる仕組みを設け、現場のエンゲージメントを高める。

kintoneの売上管理アプリ開発ならシステムクレイスへ

kintoneを用いた売上管理は、業務効率の向上、ヒューマンエラーの防止、情報の一元化と共有、そしてデータの可視化と分析を可能にします。システムクレイスでは、これらの利点を最大限に引き出すためのカスタムアプリケーションを提供し、企業の成長を支援しています。kintoneの導入を検討している企業は、ぜひシステムクレイスにご相談ください。私たちは、貴社のビジネスニーズに最適なソリューションを提供し、売上管理の最適化を実現します。

kintoneの売上管理アプリの開発をお考えなら、ぜひシステムクレイスにお任せください。私たちは、貴社のニーズに合わせたカスタムアプリケーションを提供し、業務効率化と売上管理の最適化を支援します。kintoneの専門知識と豊富な開発経験を持ち、サイボウズ認定資格を保有する私たちが、貴社のビジネスを次のステージへと導きます。

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