プログラミングなしでも手軽に業務アプリの開発が可能なkintoneではAPI連携機能により、外部サービスと連携して活用の幅を広げることで、さらに業務に役立てられます。今回は、kintone APIを用いてできることやAPI連携を活用したアプリ開発の具体例とポイントをご紹介します。
サイボウズが提供するクラウドサービスであるkintone(キントーン)には、API連携機能があります。その概要を確認しておきましょう。
kintoneのAPI連携機能とは、外部サービスと連携し、さまざまなタスクを行ったり、データ連携したりすることが可能になる機能です。
APIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略称で、プログラムを通じてアプリケーションなどを利用するための「接続口(インターフェース)」を意味します。
kintoneには既存アプリが複数備わっているほか、kintone内で独自の多様なアプリの開発が可能ですが、外部サービスと連携できることで、さらにkintoneでできることの幅が広がります。
さらに、kintoneのAPI連携を利用することで、リアルタイムでのデータ更新や通知の自動化も実現可能です。
例えば、特定の条件が満たされた場合に自動的に通知を送る仕組みを構築することで、従業員の作業効率を向上させることができます。
また、API連携を利用することで、複数のシステム間でのデータの一貫性を保つことができ、データの重複や不整合を防ぐことができます。
このようにkintoneのAPI連携は、業務の効率化と精度向上に大きく貢献します。APIを活用することで、ユーザーインターフェースのカスタマイズや新しい機能の追加も簡単に行えるため、企業のニーズに合わせた柔軟なシステム構築が可能です。
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kintoneのAPI連携は、主に次の種類があります。
・kintone REST API
kintone REST APIは、kintoneのデータを管理する単位であるレコードや、アプリ、スペースを操作できるAPIです。主にkintoneで管理しているデータを外部サービスと連携させたいときや、外部サービスからkintoneにデータを取り込みたいときに利用します。
例えば、外部サービスのデータベースからkintoneに必要なデータを登録することができます。データ登録を行うことで、kintone内のアプリでデータを業務に活用できるようになります。
・kintone JavaScript API
kintone JavaScript APIは、JavaScriptというプログラミング言語を用いて、主にkintoneの画面上の動作や見た目を変えることができるAPIです。JavaScriptが記述されたファイルをアプリにアップロードして適用すれば、動作します。
ところで、kintoneのAPI連携を利用する際に、知っておきたい言葉があります。それは「APIトークン」です。APIトークンとは、REST APIを利用して外部サービスと連携を行う際にAPIを実行するときに認証に使用する文字列を指します。kintoneではアプリごとに発行することができ、この文字列をAPIの実行時にリクエストを送るヘッダー部分に付与することで、認証がされ、実行が可能になります。
APIトークンがあるおかげで、ユーザーIDとパスワードを保存しておく必要がありません。またユーザーIDとパスワードといえば情報漏洩の心配がありますが、APIトークンを利用する際にはユーザーIDとパスワードは不要であるため、セキュリティ面でもメリットがあります。
kintoneのAPI連携を活用することで、どのようなことができるのか、また活用のメリットをご紹介します。
・自社の既存システムとkintoneを連携させてカスタマイズする
API連携を使えば、自社の既存システムと連携ができるので、kintone内アプリの開発の幅が広がります。例えば、kintoneで受注管理アプリを利用している場合に、蓄積された受注データを社内の請求書発行システムに自動で連携できるようにすれば、請求書の発行がよりスムーズに進みます。API連携を活用することで、より柔軟な開発が可能になります。
・GmailやGoogleスプレッドシートなどの外部サービスと連携する
kintoneのAPI連携は、GmailやGoogleスプレッドシートなど、よく業務で利用される多数の外部サービスと連携できます。kintoneのアプリで作成されたデータをGoogleスプレッドシートに書き出すといったことも容易にできるようになります。
・SlackやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールと連携する
kintoneのAPI連携を利用することで、SlackやMicrosoft Teamsといったコミュニケーションツールともスムーズに連携が可能です。例えば、kintoneで登録されたタスクの進捗状況をSlackの特定のチャンネルに自動投稿することができます。これにより、チームメンバー全員がリアルタイムで情報を共有できるため、コミュニケーションが円滑になります。
・クラウドストレージサービスとの連携
DropboxやGoogle DriveなどのクラウドストレージサービスともAPI連携が可能です。kintoneのアプリで管理しているファイルをこれらのクラウドストレージに自動でバックアップする設定を行うことで、データの保全性が向上します。また、クラウドストレージに保存されているファイルをkintoneのアプリから直接参照できるようにすることで、業務の効率化にもつながります。
このように、kintoneのAPI連携を活用することで、さまざまな外部サービスとシームレスに連携し、業務の効率化やデータの一元管理が実現できます。これにより、業務プロセスの最適化や情報共有の迅速化が図れるため、企業の生産性向上に大いに寄与するでしょう。
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・自動入力が可能
先に示した例のようにkintoneで管理しているデータを外部システムと共有することもできるため、手入力の手間を削減できます。データの自動連携が可能になることで、自動入力を実現できます。
・時短・ミスの低減
API連携をしていない場合、通常は業務用パソコンのデスクトップに複数のシステムを起動して人為的に複数のシステムからのデータを操作することになるでしょう。すると効率が下がり、時間もかかる上に、ミスも増加する恐れもあります。API連携で自動的にデータを受け渡すなどすれば、煩雑さがなくなり、作業のスピードアップとミスの低減につながります。
・業務効率化
上記の自動入力や時短、ミスの低減が実現すれば、業務効率化につながります。API連携をうまく活用することで、業務の課題に対応でき、理想的な状態にすることもできるでしょう。
kintone APIを用いたカスタムアプリ開発の具体例をご紹介します。
Googleカレンダーは、Google社が提供するスケジュール管理ツールです。スケジュールを共有する機能があるため、社内で利用しているケースが多くあります。そのGoogleカレンダーはkintoneとのAPI連携に対応しており、Googleカレンダーの情報を取り込むことができます。
また、その逆も可能です。kintoneで登録した予定をGoogleカレンダーに反映することもできます。Googleカレンダーにスケジュールを集約しておけば、抜け漏れも防ぐことができるため便利です。チームメンバーとのスケジュール共有も容易に行えるため、プロジェクト管理やチーム内のスケジュール共有にも役立つでしょう。
Google Mapは、Google社が提供する地図情報サービスです。例えば、kintoneアプリ内で顧客情報を入力すると、自動でGoogle Mapに反映されるようにしたり、社内で位置情報を共有したりすることが可能になります。
LINE WORKSは、LINE社が提供するビジネスチャットツールです。例えばLINE WORKSを用いて従業員が日報報告を行っている場合、そのデータをkintoneと連携させることで、情報の一元化および日報管理のための入力の自動化が実現します。
kintone APIを用いたカスタムアプリを開発する際には、次のポイントを押さえて実施しましょう。
先述の通り、APIトークンは、API連携するのに必要な情報です。そのためAPIトークンはアプリやサービスごとにしっかりと管理しておきましょう。万が一、APIトークンが外部に漏洩してしまい、第三者に悪用されてしまうと不正アクセスおよびデータ削除・改ざん、盗み入るなどのリスクがあるため、取り扱いには注意が必要です。
kintoneのAPI連携を利用してアプリ開発を行う場合は、開発後のメンテナンスのことまで考えた上で行いましょう。なぜなら、開発したはよいものの、メンテナンスに大幅に工数やコストがかかる恐れもあるためです。自社で開発やメンテナンス性への配慮まで対応することがむずかしい場合は、kintoneのアプリ開発を行う専門会社に委託するのも一つの方法です。
kintoneのAPI連携機能を利用することで、活用の幅が広がり、業務効率化にも寄与します。ぜひkintoneのAPIを活用して自社に最適なアプリを開発しましょう。
システムクレイスではkintoneアプリ開発・カスタマイズサービスを行っております。API連携によるカスタムアプリ開発はもちろんのこと、開発後のメンテナンスのことまで考えた柔軟な開発・カスタマイズのご支援が可能です。
開発実績は100社以上にも上り、要件定義からご対応可能です。
ご興味のある方、お困りのことがある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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